歯科クリニックでの導入事例
歯科クリニックでの導入事例

口腔内細菌との関連性まで考える
一歩先ゆくデンタルオフィス

原井デンタルオフィス 原井先生

サービス導入効果

  • 口腔内細菌との関連性まで考える
  • 腸内改善のきっかけ

三軒茶屋から徒歩8分。落ち着いた雰囲気の通りにある原井デンタルオフィスは、「患者様との信頼関係」を第一に考えた個別診療に力を入れる歯科クリニックです。特に口腔内細菌が関係する歯周病治療に力を入れています。口腔内細菌と腸内細菌の関連性を見るために導入されたという菌ドックをどのように活用されているのか、詳しく伺いました。

口腔内細菌との関係を早くから着目

導入頂いたきっかけを教えて下さい

腸内細菌叢検査を導入したのは10年近く前くらいでしょうか。まだ次世代シーケンサーが使われるようになる前のtRFLP法を使っていた時代から導入しています。当時は口腔内と腸のつながりというのを具体的にイメージするのは難しいことでした。

歯周病は歯周病菌がいるから必ず発症するというわけではありません。生活習慣病的な側面も非常に強くて、リスクとなるバックグラウンドがあると発症しやすい病気です。 コロナもそうですが、歯周病に関しても単一の要因だけではわからない発症予防や病状の改善に繋げられないかと疾患のバックグラウンドのひとつとして腸内細菌に着目しました。ただ、その時は具体的にどのように診断するのかというコンセンサスは当時なかったので、今でもそうですが、手探りで始めてみようという感じでしたね。歯周病とつながり始めたのは検査をやり始めた後からでしたね。次々と学会などで歯周病と腸内細菌の関係性が言われるようになってきました。 当初は全然話が通じる人がいませんでした(笑) 昨年出版された歯科医師向けの書籍(シエン社刊『マイクロスコープ・CBCTを用いた低侵襲な歯周治療の実践』河野寛二・三辺正人編著原井一雄・杉山貴志・両角俊哉・杉原俊太郎著)で「腸内細菌の視点からの低侵襲歯周治療」というテーマで執筆に参加しました。歯科医師の間でも腸内細菌への関心が高まってほしいと思っています。

どのような使い方をされているのでしょうか

歯科でいきなり腸内細菌検査というのは患者さんも困惑しますので、その意味合いを説明して歯周病の細菌検査と合わせて行う形をとっています。うちは歯周病がメインの患者さんが多く、ほかで歯周病の治療を受けたけれどもあまり良くならず、相談に来院されるという方もいらっしゃいます。 そういう方々は健康意識が高まっていることもあるので、歯周病菌検査と腸内細菌検査を合わせて希望されることが多いです。 近年では口腔内細菌が腸内細菌に影響しているという研究報告も多数出ていますので、患者さんにはそのような研究結果などを示しながら検査をお勧めします。

関心が次へのアクションへとつながる

特に患者様から評価されているポイントはありますか?

何より健康への関心度合いが変わりますね。メディアで時折目にするような「これさえ食べていれば大丈夫」のような健康食品やサプリを摂っていた方が、それらに医学的エビデンスがあるかどうかなどを考えるようになっています。

スタッフの意識も変わりました。腸内細菌叢検査(菌ドック)導入に合わせて4〜5人に検査したのですが、みんな関心が高まって、そういう話題が院内で増えました。 また、最近はコロナの流行もあって一般の方の間でも免疫関連の話題に関心が高まっています。ワクチン以外にも対策したい。そのために腸内細菌叢検査を受けて免疫に影響する腸内細菌対策を考えよう、という話につながりやすいですね。うちの患者さんですと特に40~50代の女性に多い気がします。その年代になると健康に対してコストをかけられるようになることも大きいかもしれません。

結果表をどう活用されていますか

結果表を見てもらいながら、どんな菌が多いかなどを伝えます。先ほどもお話した通り、最近は免疫に関心が高い方が増えていますので、エクオール産生菌や酪酸菌などがどの程度いるのかなどはよく説明しています。

また、学会で新しい知見が出た場合に重要度が高そうなものは、患者さんに伝えるようにしています。そうすると次の検査のモチベーションになります。 今はどの菌が体内でどのような働きをするのかはわからなくても、この分野はものすごい勢いで研究が進んでいますので、データを保存しておくことで新たな研究報告があった際に患者さんの結果と照らし合わせて注意すべきことはないか確認することができます。腸内細菌叢検査は、一回やって終わりということではなく、継続してもらえるにはどうすればいいのかということも考えています。

結果表をどう活用されていますか

検査結果に対して、「じゃあどうしたらいいの?」ということをより詳しく説明や指導ができるようにしたいですね。

今はメディアなどで腸活ブームなので、「こういう菌株のヨーグルトがいいですよ」なんて話題も見かけますが、それが本当にその人個人にとって適したものなのかを判断するための具体的な指標がありません。 善玉菌が既にいっぱいいるから必要ないのではないかとか、より良い菌株があるのではないかとか、そのようなことを判断するのは難しいのです。

もちろん、どんな菌がいるのかという自分の腸内の状況を知ることができるのは良いのですが、それをどうしましょうかと言う話になった時により具体的な話や解決策を示せるといいなと思っています。菌叢の状態からサプリや食事療法などの改善策を出せるといいですね。

あとはうちでは口腔内の細菌検査もよく行っているので、そことの関係も今後さらに詳細が見えてくると良いかなと思っています。3年ほど前に歯周病菌のひとつであるフソバクテリウム・ヌクレアタムという菌が大腸癌の発癌に関与している可能性があることが話題になりましたが、そのように、口腔内細菌や腸内細菌が健康へ与える具体的な影響がより明確になってくると、検査の価値がさらに上がると考えています。

原井デンタルオフィス

原井デンタルオフィス

三軒茶屋駅より徒歩8分。患者一人ひとりの生活に配慮し、最適な治療方法を提案する歯科クリニック。特に歯周病治療においては、他クリニックより紹介されて訪れる患者もいるほど注力している。歯周病菌だけでなく、腸内細菌に関しても注目し、全身の健康につながる治療の提供を目指している。

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